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民法11-契約上の地位の譲渡・移転(3)(契約上の地位の譲渡と経済事業)

「民法(債権関係)改正中間的論点整理」に関連して、最後になると思いますが、少しだけ補足します。

1.  論点箇所
「第62 消費者・事業者に関する規定」、「3 事業者に関する特則」「(3) 事業者が行う一定の事業について適用される特則」(同付録187頁)、「第16 契約上の地位の移転(譲渡)」のうち、「1 総論(契約上の地位の移転(譲渡)に関する規定の要否)」(NBL953号付録56頁)。

2. コメントの補足
「経済事業」の概念を民法の規定に新設するとしても、「営利的経済事業」の概念をあわせて設けることを検討してはどうか。
また、「経済事業」の用語について、いくつか選択肢が検討されているように、「契約上の地位の譲渡・移転」についても、用語をどうするか、検討すべきであり、「契約上の地位の譲渡」を採用すべきと考える。

3. 理由
「営利的経済事業」の概念をあわせて設けることを提案する理由については、組合が負う債務について、組合員が連帯債務を負う場合について、前回コメント差し上げたとおりです。

また、「経済事業」の用語については、民法(債権法)改正検討委員会では、「経済活動事業」、「収益事業」、「収支相償事業」、「採算事業」などの選択肢が考えられているそうです(NBL904号93頁)。
「経済事業」は、新たに民法に新設することが議論されている概念であり、民法に概念、規定を新設する点において、「契約上の地位の譲渡・移転」と異なりません。
そして、「契約上の地位の譲渡・移転」の用語にも、いくつかの選択肢があることも、以前述べさせて頂きました。
したがって、「契約上の地位の譲渡・移転」についても、どの用語を採用するべきか、検討するべきと考えます。

契約上の地位の譲渡の意義を定める規定の名称、及び同規定が置かれる節の名称を含め、用語は、「契約上の地位の移転」(transfer)ではなく、「契約上の地位の譲渡」(assignment) で統一されてはどうか、と思っていることについても、以前述べさせて頂いたとおりです(7月13日のブログ記事をご参照ください。)。

鹿児島シティ法律事務所 弁護士 萩原隆志