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為替デリバティブ紛争解決・金融ADR無料相談のご案内

当事務所(弁護士萩原隆志)では、銀行(主に都市銀行)、証券会社との間で、「通貨オプション取引」契約、「金利スワップ取引」契約、「クーポンスワップ取引」契約などの為替デリバティブ契約を2010年(平成22年)くらいまでの間に締結し、その前後に急激な円高が進んだことによって、毎月多額の契約金(為替差損)を相手方金融機関に支払うことなどを余儀なくされている企業の皆様に対する、無料相談を実施しております。
当事務所オフィシャルウェブサイトにて、ご案内を差し上げております。
詳細は、こちらをご覧ください。

そもそもデリバティブ(derivative)とは、日本語では、「金融派生商品」と呼ばれ、抽象的な権利を取引の内容とする、銀行や証券会社が販売する金融商品です。
デリバティブ取引を行うことにより、様々なリスクをヘッジ(回避)することができるとされており、世界中で広く行われ、健全なデリバティブ取引を行うことによって、「保険」契約と類似の効果を得ることが出来ると考えられます。
様々なデリバティブ取引が存在しますが、当職が紛争解決のご相談を案内差し上げているデリバティブ取引は、通貨(円、米ドル、ユーロ、香港ドルなど)を原資産とするデリバティブ取引、すなわち、為替デリバティブ取引です。

外国企業、外国事業主等から商品や資材、原料(資材等)を直接仕入れる(輸入する)企業様は、決済通貨(支払通貨)として外国通貨を使用されると思います。
本来であれば、決済通貨としての外国通貨を銀行等から購入し、決済通貨として使用されればよいのです。
しかし、例えば米国から資材等を調達し、米ドルで支払を行う企業様(※)には、円安の為替相場変動がある(例えば1米ドル=120円から1米ドル=130円となる)と、外国通貨を調達するためのコストが上がり、ひいては資材等調達コストが増加する(すなわち、「為替相場変動リスク」がある)こととなります。
そこで利用されるのが、オプション取引やスワップ取引などのデリバティブ取引です。

便宜的に通貨オプション取引契約を締結した場合を例にしますと、為替相場変動リスクをヘッジするために、将来一定期間内に、予め定められた金額で外国通貨等を売ったり買ったりすることができる権利を「通貨オプション」といいます。
上記企業様(※)であれば、将来一定期間内に、1米ドルを110円(約定権利行使価格)で銀行から買える権利(「米ドルコール・円プット(円を交付して米ドルを取得する)オプション」、といいます。)を持っていれば、円安となっても同オプションを行使することで、安くで米ドルを購入することができ、資材等調達コストは増加しないことになります。
そこで、通貨オプション取引契約を金融機関と締結して、オプション料を支払い、取得した米ドルコール・円プットオプションを、①約定権利行使価格より円安となれば行使し、②約定権利行使価格より円高となれば行使しないことによって、為替相場変動リスクをヘッジすることができます(この通貨オプション取引契約を、「原始的通貨オプション取引契約モデル」と便宜的に申し上げます。)。

しかし、当職が相談をご案内差し上げている通貨オプション取引(為替デリバティブ取引)は、「米ドルプット・円コールオプション」を、企業様が金融機関に売る取引などの、その他の様々な契約条件が原始的通貨オプション取引契約モデルに複雑に、ないし多重に組み合わさっている為替デリバティブ取引の契約です。
先ほどの米ドルコール・円プットオプションと裏返しの話となりますので、約定権利行使価格より円高となると、米ドルプット・円コールオプションを企業様に対して持つ金融機関は、同オプションを行使しますので、企業様に為替差損が発生することになります。
円高が急激に進んだ昨今、為替デリバティブ契約を解約することも検討されなければなりませんが、同契約を解約するためには、多額の解約損害金の支払いを求められ、企業様にさらなる負担が発生することになります。

これまで説明差し上げたことからも明らかなように、そもそも外国企業等から資材等を仕入れない企業様や、企業様の金融商品取引経験や知識の有無、財務状態、仕入れ時の決済通貨等からみて為替デリバティブ取引を行うことがふさわしくない企業様に対し、金融機関は、為替デリバティブ契約を売り付けるべきではないといえます(これを「適合性原則」といいます。)。
また、複雑な契約条件が組み合わさっている金融商品の内容を、金融機関は、契約を締結する企業様に対して、わかりやく説明した上で、契約を締結する義務があります(説明義務)。

適合性原則や説明義務に違反した為替デリバティブ契約を締結されたのであれば(そうであるかどうかを判断するために、この分野に取り組む専門の弁護士に相談することをお勧めします。)、被害の実態を話合いによる紛争解決機関(あっせん委員会)に申立(金融ADR制度によるあっせん申立)を行って説明、主張し、将来発生する為替差損や解約損害金を減額することも可能な場合があります。

当職は、為替デリバティブ商品が多く販売された同じ時期に、証券取引法(金融商品取引法)及び関連法令の適用がある複雑な証券(投資信託)取引実務、文書(デリバティブ契約締結時にも交付される目論見書、契約締結前交付書面)作成実務などに携わった経験もあることから、この分野の紛争解決に臨むための、専門的法務実務経験(Legal Expertise for conducting Financial Alternative Dispute Resolution)および免疫(Immunity)があります。
また、自身を、為替デリバティブを巡るトラブルに関する助言実績、紛争解決取組実績、研究実績もある、九州内の数少ない弁護士の一人であると考えています。

為替デリバティブを原因とする為替差損、解約損害金の支払による企業倒産を予防するためにも、お気軽に相談くださいますと幸いに存じます。

鹿児島シティ法律事務所 弁護士 萩原隆志